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会長の目


The Southern Cross 

ロンドンからオックスフォード駅に着いたとき、大きな満月が出ていた。「日本の満月と同じ」
と感じたとき、なぜか涙がにじんだ。
「月清し 遊行のもてる 砂の上」(奥の細道)。元禄2年、松尾芭蕉は、福井県
敦賀気比の松原で仲秋の名月を愛でた。
幼少の頃、敦賀の実家沿いの国道はまだ車時代でなかった。夜半、天の川が降るよう
にきらめいていた。オーストラリアやニュージーランドにいるときには南十字星を仰
ぐ。夜空を仰ぐことが子供時代からの僕の習性なのだ。

2015年12月9日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「探査機「あかつき」の金星周
回軌道投入に成功したと発表した。5年前の失敗を乗り越えての日本初の歴史的偉業
であった。
本日も人工衛星は宇宙を巡っている。国の枠を超えて人類の先駆者たち・宇宙飛行士
たちと世界の子供たちが交信している。人類の夢と未来、平和共存のシンボルをここに見る。
他方、シリアなどで凄惨な事変が続いている。パリなどでも関連した大事件が発生し
た。いわゆる大国は、古色蒼然たる政治学で将来あるべき子供たちをも巻き添えにし
て爆撃を続けている。
20世紀末、わが三重オーストラリア・ニュージーランド協会は誕生。ネット時代の
到来のときであった。それがソーシャル・メデイアへと進化してきている。まだまだ
その問題は山積しているが、英知とたゆみない努力によって人類は克服してゆくだろ
う。他方、社会は一握りの権力者や独裁者で動かせる時代に別れを告げる可能性が
でてきた。
グローバルな「草の根橋」にならんとして協会は1999年に発進した。
創立15年の記念誌の発刊に当たってたくさんの激励の「お言葉」をいただいた。
胸に秘めて、「平和と友好の橋つくり」に今後ともささやかなれどもいそしみたい、と願う。

追記:《三重オーストラリア・ニュージーランド協会創立15周年記念誌》の残部が
ございます。よろしかったら事務長 宮本由紀子までご連絡ください。
電話・ファクス    059の368の2112
e-mail tyk15m@ybb.ne.jp


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